お向かいのグランドから聞こえた

カキーンという音

少年の振ったバットに当たった白球が

のびのびと飛んでいくその音が

何となく覆われていた心の薄靄を

空の彼方まで一気に取り去ってくれたようで

急に思いが定まる


足元に咲くパンジーの

小さな美しさが

うつむく人の目に映り

硬かった表情に

ふんわりと笑みを運ぶ


感じることを

傍に追いやらず

気づいて 味わう

ありとあらゆるものが

「私」に届けられているのだから

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