ふと訪れるものがある
床を拭きながら
縫い針を進めながら
庭の雑草を抜きながら
カトラリーを磨きながら
カレーの大鍋をかき回しながら
一歩一歩 歩みを進めながら
そんな
しんとした作業を
傍観者のように眺め
深く深く
潜っていく瞬間がある
手間ひまかけて
仕上げるもの
磨きあげるもの
どうしたって
時間が必要なものがある
ゆっくりと確実に
そうやって辿り着くもの
けして大きなジェスチャーで
主張はしなくとも
確かに
あなたに
私に
根をはって
紡がれている
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